夏休みシーズンに入り、おかげさまで多聞館も連日、出羽三山参拝、月山登山のお客様で賑わっております。
そんな中、先週には、3月の東日本大震災で大きな被害を受けた地域から二組のグループのお客様がお越しになりました。
この方達は出羽三山参拝のための組織である「講(こう)」を代表してお越しになった方達です。
長年にわたって多聞館を定宿として出羽三山詣でをされてこられた方々ですが、今年は大震災の影響で講員みんなで参拝に来ることが叶わないため、代参を託された方たちがお越しになったものです。
講員の中には被災した方も多い中、出羽三山の神々への篤い信仰を守られている姿には心を打たれます。
羽黒山、月山、湯殿山それぞれのお山ではご祈祷を受けることが出来るのはもちろんですが、それぞれに先祖・故人の供養を行う場所もあります。
羽黒山山頂の霊祭殿もそのひとつですが、東日本大震災の犠牲者を供養する大きな慰霊塔のまわりには数多くの塔婆が立てられていました。
月山山頂、弥陀ヶ原、湯殿山の各慰霊所(供養場)でも、日々多くの塔婆が立てられています。
出羽三山は、神々へ祈る場所であるとともに、山に集う先祖・故人の霊と向き合い、供養・慰霊する場所でもあるのです。
出羽三山の地で捧げられる人々の深く静かな祈りが、きっと被災地、そして日本全体の復興の光明となると信じております。
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